柔道整復師はもういらない?それとも必要ですか?

日本では少子高齢化が叫ばれて久しくなりますが、高齢者の数が増えるのにしたがって医療費が増大し、国庫を圧迫していることはよく知られていることだと思います。

そのため、近年では診療報酬改定の時に、財務省によって診療報酬を引き下げるよう提言が行われています。診療報酬改定の際、いつものようにやり玉に挙がるのが整骨院です。

もともと柔道整復師の仕事は「骨を接ぐ」ことでしたが、最近は短時間マッサージ屋さんになっている柔道整復師も少なくありません。では今後、柔道整復師は不要になるのでしょうか。

柔道整復師の資格が必要な仕事は?

柔道整復師が不要かどうかについて解説する前に、そもそも柔道整復師の資格が必要な仕事には、どのようなものがあるのかを知っておきましょう。

整復

柔道整復師という名前はもともと、柔道のベースとなった柔術にルーツがあります。柔術には敵を倒すための「殺法」と、相手を蘇生させるための「活法」がありました。

柔術の活法の考え方をベースにした施術が、日本独自の整復法です。整復とは、骨折や脱臼によってズレた骨を元の位置に戻すことを意味します。つまり、柔道整復師の本来の仕事は、柔術の活法に基づいた、骨折や脱臼に対する施術と言えます。

手技療法

何らかの症状からの回復を目的とし、筋肉や筋膜を始めとした軟部組織を緩める仕事は、柔道整復師の資格がないとできません。

ですが、リラックス目的の施術であれば、資格を持たない方でも可能です。この辺りが微妙な点で、整骨院が短時間マッサージ屋さんと見られる原因の1つでもあります。

捻挫や打撲、挫傷に対する施術

現在、整骨院で扱っている症例は、上記の骨折・脱臼(ただし初回は応急処置のみ)を除けば、捻挫や打撲、および挫傷(肉ばなれなど)だけです。

ただし、捻挫や打撲、挫傷に関しては整形外科でも取り扱っているため、柔道整復師でないと見られないという訳ではありません。

柔道整復師のお仕事とやりがい

街中の整骨院・接骨院の数は増え続ける一方ですし、中には1日に100人以上が訪れる人気の整骨院・接骨院も少なくありません。では、柔道整復師にはどのようなやりがいがあるのでしょうか。

患者さんとの関係性が近い

柔道整復師の仕事は主に電気的施術や罨法、および手技療法です。患者さんに直接触れて行う施術が多いため、患者さんとの近しい関係を築くことができます。

病院の場合は中々思ったことを先生に聞くことができませんが、柔道整復師の場合は患者さんとの距離が近いため、患者さんの率直な悩みを聞き取ることができます。

その結果、「病院では治らなかった症状が整骨院・接骨院で治った」と言われることが少なくありません。これは、柔道整復師の仕事をするうえで、最大のやりがいと言えるのではないでしょうか。

独立開業へのハードルが低い

医師が独立開業しようとした場合、受付の方や看護師さんなど、たくさんの方を雇わなければなりませんし、機材にも多額の費用を要します。

柔道整復師の場合、施術所の規模にもよりますが、医師に比べると独立開業へのハードルが低いと言えます。自分の城で腕を振るえるということも、柔道整復師にとっては大きなやりがいとなるのではないでしょうか。

柔道整復師の資格がなくてもできること、実はたくさんある?

柔道整復師の資格が必要な仕事の項でもお話ししましたが、柔道整復師ならではの仕事は、整復と一部の手技療法のみです。

ケガに対する施術は整形外科でも受けられますし、本格的なマッサージはあん摩マッサージ指圧師が行っています。また、リラクゼーション目的であれば、クイックマッサージを利用することも可能です。

慢性的な腰痛や肩こりに関しては健康保険が適用されないため、整体院やカイロプラクティックなどを利用される方も少なくありません。

さらに言うなら、柔道整復師本来の仕事である整復ができない柔道整復師も増えており、骨折や脱臼が疑われる場合は病院を紹介することも珍しくありません。

このように、柔道整復師でなくてはできない仕事が減ってきていることが、整骨院・接骨院の運営を厳しくしつつあります。

柔道整復師は国家資格であるため、無資格のクイックマッサージや整体院、カイロプラクティックが一段下に見られることもありました。

ですが、患者さんにとって重要なことは、自分の悩みを解消してくれるかどうかです。昔ながらの柔道整復にこだわっている限り、整骨院・接骨院の未来は明るいとは言えないでしょう。

まとめ

柔道整復師と言えば、かつては資格を取得すれば安泰と言われていた時代がありました。ですが、整骨院・接骨院の数が増え、優秀な無資格者(整体師やカイロプラクター)が増えてきた昨今、柔道整復師として活動していくためには広い視野を持つことが求められます。

患者さんが求めているのは資格ではなく、圧倒的な技術や信頼感、安心感です。柔道整復師の資格に胡坐をかくことなく、その他の施術所のいいところを取り入れ、保険診療にこだわらない多角的な経営を行っていくことが、整骨院・接骨院の生き残る道と言えます。

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