理学療法士が開業するには？理学療法士の平均年収や起業や独立について解説

理学療法士が開業するには？理学療法士の平均年収や起業や独立について解説

理学療法士は、ケガや病気などが原因で身体を動かすことが困難な方などに対して、身体の動作を回復・維持するための、運動療法や物理療法をおこなう動作の専門家です。

理学療法士は国家資格なのですが、ここのところ需要に対して供給が上回っており、なかなか定職につけない理学療法士の方や、満足する収入を得られない理学療法士の方も増えています。

そのため、理学療法士の方の中には、独立開業を考えている方も少なくありません。そこで今回は、理学療法士が開業するときに知っておきたいことをご紹介します。

理学療法士が独立を目指す理由やメリットとは

理学療法士が独立を目指す理由としては、自分の思い通りの施術をおこないたいことや、年収をアップさせたいことなどが挙げられます。

理学療法士は身体の動かしに関する専門家ですが、病院やクリニックで勤務した場合、医師の指示に基づいて理学療法をおこなうことが原則となっています。

そのため、独立開業して、自分が思うような施術をしたいと思う方がいらっしゃるのです。また、理学療法士の年収は正直に言ってそれほど高いものではありません。

国税庁の調査によると、2019年における日本人の平均年収は436万円ということですが、理学療法士はそれよりやや低い、年収400万円程度となっています。そのため、独立してさらなる年収アップを図るケースがあるのです。

独立して活躍する理学療法士の色々な働き方

始めにお断りしておきますが、理学療法士は独立して理学療法を提供することはできません。なぜなら、理学療法は医師のもとでしかおこなうことができず、そもそも開業権がないからです。

そのため、理学療法士が独立開業する場合、理学療法以外の施術を提供することとなります。理学療法士が独立する例としては、次のようなことが挙げられます。

整体院を開業する

理学療法士が独立開業する場合に人気なのが、整体院を開業することです。整体院は特に資格がなくても、誰でも開業することができます。

理学療法士は国家資格であるため、国家資格を持つ者が施術をおこなうという差別化を図ることで、民間資格しか持たない整体師に対して、優位な立場に立てる可能性があります。

パーソナルトレーナーになる

冒頭でも述べましたように、理学療法士は動作に関する専門家です。身体のどこにどのような筋肉があり、どういった作用をするかについて、理学療法士は深い知識を持っています。

その知識を活かして、パーソナルトレーナーとして活躍する方法があります。最近は有名人を相手にしたパーソナルトレーナーも増えているため、実績を重ねれば、年収を大幅にアップすることも期待できます。

理学療法以外の資格を取得して開業する

理学療法士には、理学療法を提供する目的で、施術所を開業することはできません。ですが、柔道整復師や鍼灸師などの資格を取得し、開業することは可能です。

柔道整復師の資格を取得した場合、整骨院や整骨院を開業し、自分が思った通りの施術を提供することができます。また、ケガに対しては健康保険が利用できるため、多くの患者さんを見ることにもつながります。

柔道整復師や鍼灸師の資格も国家資格であるため、理学療法士の資格にプラスしてそれらの資格を持っていることが、患者さんに対する信頼感にもつながります。

デイサービス事業に参入する

高齢化が進む日本では、デイサービスなどの訪問介護サービスがますます必要な存在となってきています。

利用者の中には、入浴や食事だけでなく、機能訓練を目的として通っている方もいます。そのような方を対象にデイサービスの事業所を立ち上げ、自分の強みをアピールするという方法もあります。

理学療法士独立のデメリットも見極めてしっかり考えよう

理学療法士が独立開業した場合、自分が思ったような施術を提供できるだけでなく、勤務しているときより年収をアップさせることも期待できます。

現在のところ、本協会・日本病院会・全日本病院協会・日本精神科病院協会から成る「四病院団体協議会」では、理学療法士や作業療法士の開業に関して否定的です。

そのため、理学療法士が開業する場合、理学療法以外の施術を提供する必要があります。d効率開業にはメリットもあればデメリットもあります。

もっとも分かりやすいデメリットとしては、収入が安定しないことが挙げられます。病院などに勤務していれば、毎月決まった給料が得られるだけでなく、ボーナスが支給されることもあります。

ですが、個人で独立開業した場合、ボーナスはありませんし、毎月決まった収入が得られる保証もありません。また、整骨院や整骨院、整体院の数は増加の一途をたどっており、開業したからといって、必ず繁盛する補償もありません。

そのため、独立開業のメリットとデメリットを比較衡量し、それでも「独立したい」「独立して成功する強い意志」があるという場合、思い切って一歩を踏み出してみるのも良いでしょう。