整骨院で相次ぐ水増し請求と、国の対応について。

整骨院・接骨院では健康保険を利用することで、比較的リーズナブルに施術が受けられるため、毎日多くの患者さんが訪れています。

ところが、一部の整骨院・接骨院では療養費の請求を不正に行い、実際に得られるはずの療養費以上の金額を受け取っている事例があります。

2009年の行政刷新会議(事業仕分け)でもやり玉に挙げられた整骨院・接骨院の施術ですが、不正請求を行っていると今後、受領委任の取り扱いが中止されるかもしれません。

整骨院・接骨院での水増し・架空請求とは。

整骨院・整骨院では受領委任という方法で、療養費の請求を行っています。患者さんが窓口で支払う額は1割から3割で、残りを各保険組合に請求するという仕組みです。では、整骨院・接骨院で行われる水増し請求や架空請求とはどのようなことを意味するのでしょうか。

整骨院・接骨院で多く見られる例が、交通事故の施術に関する水増し・架空請求です。実際には1週間に1回から2回しか施術を受けていないのにも関わらず、1ヶ月に20回も施術を受けたようにカルテを捏造し、保険金をだまし取るなどする事例です。

柔道整復師と患者さんが共謀して行う事例もあれば、柔道整復師が単独で犯行に及ぶケースもあります。また、整骨院・接骨院でよく見られる事例として、「部位転がし」も挙げられます。

例えば捻挫をして整骨院・接骨院で施術を受けた場合、よほどの重症例でもなければ、2週間から3週間もすれば回復するものです。

ですが、整骨院・接骨院としては、長く通ってもらった方が療養費を多く受け取れるのです。そこで、捻挫が治りそうになったら「捻挫をかばって膝が痛くなっていませんか?」などと患者さんに確認を取り、「そういえば膝の痛いかも」ということであれば、新たに膝に対する施術を開始する訳です。

このように、整骨院・接骨院になるべく長期間通ってもらうため、ある部位の治癒が近づくと、他の部位の施術を始める部位転がしが行われるのです。

どうして水増し・架空請求が行われるの?

整骨院・接骨院で水増し・架空請求が行われる理由は、単純に療養費を多く受け取りたいからです。その目的は施術所によってじつにさまざまです。

従業員の給料を捻出することが目的の場合もあれば、遊び金欲しさの場合もあります。また、上司からそのように指導され、不正請求と自覚せずに行っているケースもあります。

背景としては、人口が減り続けているのにも関わらず、整骨院・接骨院の数や、柔道整復師の人数は増え続けていることが挙げられます。

要するに、整骨院・接骨院の間で患者さんの奪い合いが起こっているため、1人の患者さんから少しでも多くの療養費を得ないと、整骨院・接骨院の経営が立ち行かなくなるのです。

整骨院・接骨院不正請求発覚のきっかけ。プロの目はごまかせない!

整骨院・接骨院における不正請求は、次のようなことが原因となって発覚します。うまくごまかしているつもりでも、プロの目から見るとおかしな点はたくさんあるようです。

縦覧チェック

整骨院・接骨院だけでなく、医療や介護のレセプトをチェックする際にも用いられる手法で、病名や疾患名と月を縦横に並べることで、不正請求のパターンを見破ります。

整骨院・接骨院で使用しているカルテを恣意的に操作した場合、その量が多くなればなるほど、必ず何らかのパターンが生じます。毎月大量のレセプトを確認しているプロからすれば、そのような捏造を見破ることは造作もないことなのです。

患者さんからの問い合わせ

ケガの改善を目的に整骨院・接骨院へ通っていると、保険組合から確認のための問い合わせが来ることもあります。

そのことを整骨院・接骨院に相談すると、院長が鉛筆で下書きを行い、患者さんにボールペンで上からなぞり、下書きを消したうえで保険組合に回答するよう指導されることがあります。

「そうしないと保険が使えませんよ」と言われると、たいていの患者さんは院長の言ったとおりにするものですが、疑問を感じた患者さんからの問い合わせによって、不正請求が発覚することもあります。

内部告発

珍しい事例では、整骨院・接骨院で働いているスタッフによる内部告発が原因となり、不正請求が発覚することもあります。

不正請求は厳しく処罰されます。

仮に整骨院・接骨院における不正請求が発覚した場合、受領委任の取り扱いが中止となり、健康保険を利用することができなくなります。

また、不正請求を行った施術所の名称や責任者の氏名、不正を行った理由、金額なども公開されることがあり、社会的に抹殺される恐れがあることを覚えておきましょう。

まとめ

多くの整骨院・接骨院では患者さんの不調とまっすぐに向き合い、日々まじめに仕事に取り組んでいます。ですが、不正請求を不正と知らずに、「テクニック」として水増し請求をしている事例も少なくありません。

明るみに出る不正請求の件数が増えれば増えるほど、業界自体に向けられる目を厳しくなり、医療費の削減に際して、整骨院・接骨院業界に対して、真っ先にメスが入れられるリスクを高めることとなります。

整骨院・接骨院の数や柔道整復師の増加にともない、かつてほど楽な業界でなくなっていることは事実です。ですが、保険が使えなくなったら、多くの整骨院・接骨院が廃業へと追い込まれることをリスクとして知っておくことが重要です。


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