昭和の時代であれば、整骨院を開業しさえすれば後は左うちわという時代がありました。ですが、時代は令和に入り、整骨院の営業は徐々に厳しさを増しつつあります。

では、整骨院の現状はどうなっているのでしょうか。また、なぜ潰れてしまう整骨院が後を絶たないのでしょうか。整骨院・接骨院の今後の課題について詳しく解説します。

整骨院の経営環境は厳しい?整骨院の現状とは

結論から申し上げますと、整骨院はこれから二極化していくことが予想されます。売り上げを大幅に伸ばす整骨院もあれば、徐々に売り上げが減少し、廃業に追い込まれる整骨院もあるでしょう。

なぜそのようなことが起こるかというと、業界全体で「パイの奪い合い」が起こっているからです。例えば、全国の整骨院(接骨院)の数は、平成20年には34,839件だったのが、たったの10年で15,000件以上増加しています。

その間、柔道整復師の数も43,946人から73,017人とおよそ3万人増加しています。平成30年時点でのコンビニエンスストアの数がおよそ54,000件であったことを考えても、整骨院の数がいかに多いかが分かると思います。

整骨院の数が増加の一途をたどっている反面、廃業や倒産に追い込まれる整骨院の数も増えています。平成30年に廃業したマッサージ関連事業者(整骨院や接骨院も含む)を見てみると、全国で93件となっており、過去10年で最多の数となっています。

令和2年にはコロナウイルスが流行したこともあり、外出を自粛する方も増えました。そのため、今後も倒産や廃業に追い込まれる整骨院の数は増えるものと予想されます。

整骨院が潰れてしまう理由は?

それでは次に、整骨院が潰れてしまう理由について見ていきましょう。整骨院が潰れる理由には、業界自体の問題と、院自体の問題の2つがあります。

療養費が減少傾向にある

日本では高齢化が叫ばれて久しいですが、高齢化社会の問題の1つが、医療費が国庫を圧迫しているという点です。

そのような現状を踏まえ、医療保険部会の柔道整復部療養費検討専門委員会では、整骨院(接骨院)における療養費に関する見直しが進められています。

なぜなら、ここ数年の間に整骨院による療養費の不正請求が明るみに出てきているからです。中には反社会的勢力が関与した事例もあります。

医療保険部会・柔道整復療養費検討専門委員会では、平成24年から整骨院や接骨院における療養費の適正化について議論をしてきました。

もともと整骨院で行われている施術にはグレーゾーンのものがあり、診療報酬改定のたびに議題に上っていたという経緯もあります。

整骨院での療養費不正請求が事件として明るみに出るたび、療養費が減少していくという流れになっています。療養費が減少すれば、整骨院の収入源も縮小されるため、倒産や廃業のリスクが増すのです。

ライバルの増加

先述したように、平成20年から平成30年の間に、全国の整骨院(接骨院)の数はおよそ15,000件も増加しています。

整骨院以外にも、マッサージ屋さんや整体院、リラクゼーションサロンなども増加傾向にあり、業界全体で「パイの奪い合い」が起こっています。その結果、競争に負けた整骨院が潰れてしまうのです。

整骨院・接骨院の今後の課題とは?

整骨院・接骨院の経営は今後ますます厳しさを増すものと思われます。そのため、他院に先駆けて課題をクリアしていく必要があります。では、どのような課題をクリアする必要があるのでしょうか。

自費施術への移行

整骨院は本来、健康保険を利用してケガ(捻挫や挫傷、打撲)に対する施術を行う場所です。ただ、短時間マッサージ屋さんのようになっている整骨院も多く、保険適用の是非が問題視されることも少なくありません。

また、医療費の増大傾向は令和に入ってからも続いており、いつかは保険の適用範囲が制限されると予想されます。そのため、余力のある内に自費施術に移行し、自院の患者さんを確保することが求められます。

治せる技術を手に入れる

整骨院に通った方の中には、「何回通っても良くならない」と、自費施術の整体院に流れる方が少なくありません。

整体院の施術者は無資格であることも多いのですが、だからこそ必死になって技術の研鑽を行い、リピーターの確保に努めています。

ケガをした場所に湿布をしたり、包帯を巻いたりするだけでなく、ケガの原因を根本的に改善できる技術を習得することが求められます。

まとめ

整骨院の経営はコロナ禍を経て、ますます厳しくなることが予想されます。昭和の時代のように、資格を取って開業すれば、あとは左うちわで安泰という時代は過去のものです。

資格を取得し、開業した後も技術の研鑽に励み、徐々に自費施術に移行していくことが、これから整骨院・接骨院として生き残る道だと言えそうです。

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