整体、カイロプラクティックに代表される自然療法ってどうなんですか？

整体、カイロプラクティックに代表される自然療法ってどうなんですか？

自然療法という言葉を聞いた時に、一般の方はどのようなイメージを持たれるでしょうか。「身体に良さそう」と思う方もいれば、「なんだか胡散臭い」と思う方もいるのではないでしょうか。

日本では主に整体院やカイロプラクティックで、自然療法の考え方に基づいた施術が行われています。自然療法の考え方は東洋医学的な考え方である未病と通じるところもあります。

現代の医療では改善できない症状が、自然療法によって解消できたという事例も少なくありません。こちらの記事では、自然療法の考え方について詳しくご紹介しています。

そもそも自然療法ってなに？

自然療法がなぜ胡散臭く感じられるのかについては後ほど詳しく解説するとして、まずは自然療法がどのような施術法であるのか、厚生労働省のホームページを参考に解説します。

＜自然療法について＞

厚生労働省によると、自然療法とは昔から世界の各地で行われていた伝統的医療と、ヨーロッパで普及していた健康法が融合し、そこから発展した医療体系とされています。

西洋医学のように、不調があれば治療薬を用いて症状を抑える、何らかの病変があれば外科的手術によって取り除くといった発想ではなく、不調の原因を根本から取り除くことが自然療法の目的となっています。

＜自然療法の内容について＞

なぜ自然療法が胡散臭く感じられるのかについて理解するためには、自然療法の内容について知っておく必要があります。自然療法で行われる施術としては主に、次のようなことが挙げられています。

食事や生活習慣の改善

人間の身体は毎日の食事によって摂取した栄養素から作られています。身体に良いものを摂取すれば健康状態を維持できますし、身体にとって好ましくないものを摂取していれば、不調や病気のリスクが高くなります。

また、睡眠不足や過労、運動不足、パソコンやスマホの見過ぎといった生活習慣が積み重なると、やはり不調や病気のリスクを高めることに繋がります。

そのため、自然療法においては、食事や生活習慣の改善を通じて、不調の原因を根本から解消することに取り組んでいるのです。食習慣の改善のため、サプリメントを利用することもよく行われています。

ストレスの軽減

現代はストレス社会と言われることもあるように、人々は毎日、主種雑多なストレスにさらされています。

ストレス状態が昂じると、自律神経のバランスが崩れ、さまざまな不調や病気のリスクが高くなることは、洋の東西を問わず共通の認識と言えるのではないでしょうか。

ストレスを軽減する方法として、心理療法やカウンセリングが行われることもありますし、ハーブを利用してリラックス状態に近づける方法もあります。

施術

自然療法で行われる施術には、マニピュレーションやホメオパシー療法、運動療法などがあります。マニピュレーションは簡単に言うと背骨のズレを解消するための施術で、主にカイロプラクターによって行われています。

ホメオパシー療法は、1800年代にドイツで確立された代替医療で、日本学術会議やオーストラリアの国民健康医学研究評議会などでは、エビデンスがないとして否定されています。

デトックス

デトックスは、英語のdetoxification（解毒・浄化）を略したもので、体内に蓄積したさまざまな老廃物などを、体外へと排出することを意味します。

自然療法はなんだか怪しくて胡散臭いの？

ここまでの説明でもお分かりのように、自然療法には東洋医学的な未病の考え方に通じるものがあれば、医学的根拠が薄弱なものもあります。

自然療法が怪しく感じられる理由の1つが、デトックスやホメオパシーといった考え方には、科学的根拠のともなわないことです。

日本で行われているデトックスの中には、足の裏に特殊なシートを貼って寝るという例があります。翌朝シートが真っ黒になっていれば、毒素が排出されたという訳です。

よほど素直な方でもない限り、このような自然療法が胡散臭いと感じることは避けられないでしょう。また、ホメオパシーに関しても、医学的根拠が明確に否定されています。

カイロプラクティックの国際的位置づけ

自然療法の施術の1つにマニピュレーションがあります。マニピュレーションはゆがんだ背骨を整えることで神経伝達をスムーズにし、心身のさまざまな不調を改善することにあります。

日本ではカイロプラクティックを国家資格として認定していませんが、カイロプラクティックの母国であるアメリカでは、医師と並んで権威のある職業であり、カイロプラクターはドクターと呼ばれています。

日本ではアメリカのように体系的なカイロプラクターの養成が行われておらず、中には数日間研修を受けただけでカイロプラクターを名乗るような例もあります。

このような事情も、カイロプラクティックに代用される自然療法を、人々が胡散臭いと感じてしまう理由と言えそうです。

ですが、日本でも各種専門学校を修了し、経験を積んでいるカイロプラクターの方がたくさんいらっしゃいます。国家資格も大切ですが、確固たる技術の方がより大切だということを知っておきましょう。

まとめ

日本における自然療法は、どちらかと言うと東洋医学の未病という考え方に近い部分があります。ですが、東洋医学の用語は分かりにくいですし、海外の自然療法はカタカナで表記されることも多いので、胡散臭く感じる方も一定数いらっしゃるようです。

ですが、百聞は一見に如かずというように、実際に施術を受けて不調が解消されるのであれば、どのような施術であっても不調をお持ちの患者さんにとってありがたいことに変わりはありません。

日本ではカイロプラクティックや整体が国家資格ではないため、柔道整復師よりは一段下に見られがちです。ですが、国家資格を持っていることよりも、不調を改善できる確固たる技術の方が圧倒的にだということを知っておきましょう。