整体院・整骨院での電子カルテ導入のメリットとは？

整体院・整骨院での電子カルテ導入のメリットとは？

インターネットやクラウドサービスが一般的となった昨今、医療機関の中には電子カルテを導入するところも増えているようです。

では、整体院や整骨院でも電子カルテを使うことはできるのでしょうか。今回の記事では、整体院や整骨院などで電子カルテを導入するメリットについてご紹介します。

そもそも整体院・整骨院はカルテの作成・保管が必要？

結論から申し上げますと、整骨院や接骨院のような、保険請求をする施術所の場合は、カルテの作成・保管義務が生じます。カルテを作成・保管する理由としては、主に次のようなことが挙げられます。

・療養費を請求するため

・患者さんの症状変化などを確認するため

・不正請求を行っていない証拠とするため

整骨院であっても保険請求をせず（患者さんに保険証を提示してもらわず）、自費施術だけおこなうのであれば、カルテを作成・保管する義務は生じません。

鍼灸院の場合も同様で、保険施術を行うのであれば、カルテを作成・保管する義務が生じます。ですが、鍼灸院の場合は自費施術を行うのが一般的であるため、カルテを作成しなくても問題ありません。

整体院では自費施術を行うのが一般的なので、カルテの作成義務はありません。ただ、自費施術を行う場合であっても、患者さんの症状変化を確認するため、カルテを作成した方が便利ではあります。

ちなみに、保険請求をする施術所の場合、カルテは患者さんの治癒や施術終了から5年間、保管しなければなりません。

整体院・整骨院におけるカルテの活用方法

保険請求をする施術所はもちろんですが、自費施術を行う施術所であっても、カルテを作成した方が便利です。カルテの活用法としては、次のような例が挙げられます。

患者さんの情報を共有する

カルテを作成する一番の目的として、患者さんの情報を共有できることが挙げられます。「どんな症状で来院されたのか」「どのような施術をしたのか」「症状にどのような変化が見られたのか」

…そのような情報をカルテに記入しておくことで、施術担当者が代わっても、安心して患者さんが治療を受けられます。

患者さんにしても、ただ「良くなっていますよ」と言われるより、カルテを見せられて、「このように改善してきています」と言われた方が、説得力があると言えるでしょう。

患者フォローに利用する

カルテには患者さんの生年月日や住所などが記入されています。そのため、患者フォローに利用することが可能です。

例えば誕生日にダイレクトメールを送ったり、年賀状を送ったりすることで、患者さんを施術所のファンにすることが期待できます。

また、しばらく足が遠のいている患者さんを洗い出し、お得なクーポンやチケットなどを送付すれば、再診につなげることも可能です。

電子カルテがおすすめな理由

整体院や整骨院の中にも、電子カルテを導入する施術所が増えてきています。電子カルテがおすすめな理由としては、次のようなことが挙げられます。

ペーパーレス化できる

先述したように、保険請求をする施術所の場合、カルテを5年間保管する義務があります。整骨院には毎日たくさんの患者さんが訪れるため、カルテも膨大な数となります。

さらにそのカルテを5年間も保管するとなると、置いておく場所を確保するだけで大変な労力が必要となります。電子カルテの場合は、紙が必要ないため、そのような心配もありません。

データベース化しやすい

電子カルテのメリットとしては、データベース化しやすいことも挙げられます。患者さんの氏名や年齢、住所、生年月日、来院日などを入力しておけば、必要な項目を入力することで、すぐに欲しい情報を引き出せます。

例えば最後の来院から2ヶ月が経った人を対象に、ダイレクトメールを送付しようと思った場合、手作業だと大変な手間が必要となりますが、電子カルテならあっという間です。患者フォローという観点からも、電子カルテはとても便利なツールと言えます。

顧客管理が容易

整骨院や整体院の患者さんが増えてくると、カルテを探すのに時間が掛かることも珍しくありません。また、以前来院されたときのカルテを探すのも一苦労です。電子カルテであれば、顧客管理もスムーズにおこなえます。

読みやすい

電子カルテの意外なメリットとして、読みやすいことが挙げられます。整骨院や整体院のスタッフは、必ずしも字が上手な人ばかりとは限りません。

せっかく紙のカルテで情報を共有しようとしても、字が汚くて読めないといった可能性もあります。電子カルテであれば、そのような心配がありません。

整体院・整骨院の電子カルテに関するまとめ

保険請求をする整骨院の場合、カルテの作成・保管義務があるため、カルテの枚数がある程度増えたら、電子カルテを導入するのも1つの手でしょう。

整体院であっても、スタッフを多く抱えている施術所や、来院患者数の多い施術所であれば、電子カルテを導入することで多くのメリットが得られます。

開業当初は手作業でも構いませんが、施術所の経営が軌道に乗って余裕が出てきたら、電子カルテの導入を検討してみてはいかがでしょうか。