社会人が働きながらカイロプラクティック資格をとるには？

社会人が働きながらカイロプラクティック資格をとるには？

病院でなかなか改善しなかった症状がカイロプラクティックの施術で良くなった方のなかには、カイロプラクターに興味を持つ方も少なくありません。

今回の記事では、社会人が働きながらカイロプラクティックの資格を取る方法や、カイロプラクターの将来性などについて解説します。

カイロプラクティックとは？その歴史は？

カイロプラクティックはアメリカ人の磁気治療家、ダニエル・デビッド・パーマーによって1895年に創始されました。

パーマーはあるとき、17年前に難聴を発症したというハービー・リラードという成年に会い、彼の身体を調べたところ背骨の一部に隆起があることに気づきました。

リラードの許可を得たパーマーが背骨の隆起した箇所に押圧を加えたところ、17年間続いた難聴の症状が大きく改善したということです。

背骨は脊髄（中枢神経）の通り道であり、神経伝達が阻害されることでさまざまな不調があらわれると気づいた点が、パーマー最大の功績と言えるでしょう。

日本人では森久保重太郎という人がアメリカで日本人初のカイロプラクターとなりますが、帰国せずにアメリカで生涯を終えています。

その後、アメリカで学んだ河口三郎氏によって日本にカイロプラクティックが紹介され、1918年には神奈川県でカイロプラクティック営業取締規則が制定されました。

1960年には最高裁判決を基に、カイロプラクティックを始めとする医療類似行為の開業が自由になっています。

現在でも厚生労働省によるカイロプラクティックの研究は進んでいませんが、世界の約50ヶ国でカイロプラクティックが医療専門資格として認定されています。

働きながらカイロプラクティック資格を取得するのは可能か？

結論から申し上げますと、働きながらであってもカイロプラクティックの資格を取得することは可能です。

日本ではカイロプラクティックが国家資格ではないため、自ら名乗れば誰でもその日からカイロプラクターになれます。

とはいうものの、なんの技術も知識もない方がカイロプラクターを名乗ったところで、不調を改善するのは難しいでしょう。

また、技術も知識もないのに人の身体に触れ、何らかのトラブルを起こした際には訴訟に発展する恐れもあります。

そのため、カイロプラクティックの資格（民間資格）を取るには、専門学校に通うのが一般的です。

カイロプラクティックの資格を取るには？

日本でカイロプラクターになるためには、日本カイロプラクティック登録機構（JCR）の試験に合格するのがおすすめです。

前述の通りカイロプラクティックは国家資格ではないため、誰でもカイロプラクターを名乗ることは可能です。

しかし、日本カイロプラクティック登録機構に名前が掲載されれば、一定水準の技術や知識を身に付けていると判断されます。

日本カイロプラクティック登録機構による試験を受けるためには、WHO（世界保健機関）が定める基準のカリキュラムを履修する必要があります。

WHOの求める基準をクリアするには4年から6年、4,200時間のカリキュラムを履修しなければなりません。

働きながら4,200時間ものカリキュラムを履修するのが難しい場合は、専門学校で知識や技術を身につけ、整骨院などで実務経験を積む方法があります。

ある程度の実務経験を積むと、日本カイロプラクターズ協会が提供する、臨床カイロプラクティックプログラムの履修が可能です。

1年半～3年のプログラムを履修すると、日本カイロプラクティック登録機構の実施する試験が受けられます。

カイロプラクティックの将来性は？

アメリカなど世界のおよそ50ヶ国でカイロプラクティックは医療専門資格として認定されています。

また、欧米諸国では政府の主導でカイロプラクティックに関する研究が進み、施術の有効性・安全性が確認されています。

日本では厚生労働省による研究が進んでおらず、カイロプラクティックは民間資格に留まっていますが、一方でこれから大きくなっていく業界とも言えるでしょう。

日本では国民皆保険制度を採用していますが、保険負担による医療費が国の財政を大きく圧迫していることは周知の通りです。

カイロプラクティックは保険治療に代わる自由診療の1つとして、国民の健康をサポートする魅力的な仕事と言えます。

アメリカではカイロプラクターは医師と同様にドクターと呼ばれ、レベルの高い医療従事者として認知されています。

日本でもいずれ柔道整復師のようにカイロプラクティックが国家資格として認定される日が来るかもしれません。

まとめ

カイロプラクティックの歴史は100年少々と短いですが、アメリカではドクターと呼ばれレベルの高い医療従事者として認知されています。

日本でも病院で改善しなかった腰痛や頭痛が、カイロプラクティックの施術で良くなったなどの例は数えきれないほど多いです。

なにより、カイロプラクターはお金だけでなく「ありがとう」の言葉をもらえる魅力的な仕事です。

やる気さえあれば働きながらでも終業後にカイロプラクティックの学校に通い、資格を取得することは十分に可能でしょう。